選択する人・できない人。舞台『グッドピープル』(戸田恵子・村上弘明)

2019年8月2日映画・舞台村上弘明, 舞台

舞台を観る機会の少ないわたしが、今年に入ってけっこう観ている。
2019年7月18日からたった一週間だけ上演された『グッドピープル』。大好きな村上弘明さんが出るということで初日と千秋楽に行ってきましたが、んまーこれが予想以上だった。面白かった。

グッドピープルのポスター

アメリカで、トニー賞受賞、ニューヨーク演劇批評家賞を獲ったといわれても、あまり想像ができない。話も。翻訳物といってもよくわからず……今思うと、劇団四季とかのディズニーも翻訳物なんだろうか?

とにかく、サヘル・ローズさん以外はみんな白人のアメリカ人役。まるで80~90年代の吹き替え映画をみているような気分になって楽しみました。(後述の木村有里さんと阿知波悟美さんがすごすぎ・笑)

 

最下層でも逞しく生きる人たちと、「成り上がり」のマイク

いわゆるアメリカの格差社会や人種差別問題などをベースとした舞台で、ひときわ貧しいエリアのサウスボストン(サウシー)出身の主人公ふたりが主役。パンフレットによると、全米の有力誌では「米国の白人最下層の都」と呼ばれた場所らしい。

サウシー出身のマギー(戸田恵子)と、マイク(村上弘明)は幼なじみで、高校時代の一夏、2ヶ月だけ付き合っていた。
マギーはその頃に身ごもった赤ちゃんを早産で産み、障害を持った娘のジョイスは現在は32歳。ひとりで食事をするのも厳しい様子。

マギーは貧困のために昼飯を抜かし、飴で済ませようとしたところ歯を割れて、治療費がないから通院しなかったら酷く膿み、治療費のために車を持っていかれる……さらには、ジョイスの面倒をみるために遅刻が増え、1ドルショップの店員をクビになってしまうという、負の連鎖っぷり。

一方マイクはペンシルバニア大学医学部に進み、ボストンで開業医。今は高級住宅地のチェストナット昼住まい。大学で英米文学を教えている妻のケイトと、娘のアリーと暮らしている。いわゆる「成り上がり」。そのことばにカチンとくるマイクのようですが、あの永ちゃんだって最初はカチンと来たらしい(笑)。元々は最下層みたいな意味になっちゃうわけだもんね。永ちゃんはすぐに、いいね! ってなってたようですが。(笑)

マギーは悲惨ながらも明るい性格。大家のドッティー(木村有里)と、同級生で親友?のジーン(阿知波悟美)と三人でテーブルを囲んで、いつも強烈な二人に圧され気味。(笑)
マイペースで利己的なドッティーばあさんと、情に厚く荒っぽくて極端なジーンというこの二人の友だちは、けっこう酷いんだけど深刻にはなれず、めちゃくちゃ笑える。(笑)笑い飛ばせるっていうのかな。

マギーとマイクの再会

ジーンはウエイトレスをしていて、地元の少年少女クラブのパーティーで登壇しているマイクを見かける。マイクが30年経ってもイケメンで(そらそうだ^^)、さらにお金持ちになっているのを見て、職を失ったマギーに会いにいくように勧める。さらにジーンはあとになって、「ジョイスはマイクの子だって言っちゃいなよ」と冗談で“詐欺”をすすめる。

で、マイクとマギーが再会するんだけど、どうもマイクがちょっと引いてる感じ。
マギーは友だち三人と一緒にいるときより、だいぶ面倒な人になって絡んでいく(笑)。金持ちでサラっとしちゃったマイクに、嫌味を言うし、「いじわるになった」と言われるほど。確かに。ウザめの絡み方をする。(笑)

その後、マイクは徹底的には避けないものの、微妙にマギーを避ける。それを敏感に察したマギーが、マイクのバースデイパーティーが中止になっても「わたしを呼びたくないんだ」と勘ぐって家に乗り込んだり、マイクの妻のケイト(サヘル・ローズ)を巻き込んで、最終的には「マイクと付き合ってた」、「ジョイスはあんたの子よ、マイク!」みたいな暴露をしちゃう。

妻のケイトはどうやら不安定で、マイクとはうまくいってない。夫婦のカウンセリングを受けているけど、マイクが限りなく「無意味」という態度。二人はマイクの上司だった医者の父に勧められた政略結婚のようだけど、ふたりはそれなりに幸せになろうと努力はしているっぽい。
原因はどうやら、マイクが大学生以前の過去の話をあまりしないことで、信頼関係に不安を持っている感じ。

成功者と非成功者の思考の違いはどこから来るのか

この話はけっきょく、医者になったマイクが過去を棄てようとしているんだけど、過去の中に置いてきたマギーが登場し、蓋をしたものをあれこれ引っ張り出されて、めちゃくちゃにされてキレるという話。

でも、それは単純じゃなくて、「人生は選択だ。成功するなら行動しろ」という成功哲学をうまくいかせたマイクと、「選択の余地なんかなかった。あなたは運がよかった」というマギーの対比が、大きなテーマ。
そこには貧困問題のなかでも、またちょっとの差により、これだけ大きく変わるんだというシビアさがある。

わたしは常々思うけど、思考っていうのも、けっきょく環境。

マイクには働いている父がいて、サウシーの中でも幾分ましな「アッパー・エンド」に暮らし、マギーは福祉に頼り切るようなエリア「ロウワー・エンド」で、父もおらず暮らしていた。
ふたりとも同じく服は施設からの配給だったようだけど、極貧のなかでは働く父がいるかいかないかでは大違い。

そういう環境で、マギーは一夏の恋でマイクの子を身ごもってしまったわけだけど、振ったのはマギー。「女の意地」と戸田恵子さんはパンフレットでおっしゃっていたけど、本当にそうだと思う。

激昂したマイクが、「どんな状況でも君と別れていたね!」と言うんだけど、大げんかの果てに「あなたはそんな人じゃない」と疲れたように優しく言うマギー。あれはシミジミした。
自分の子を身ごもったと知ったマイクは、きっと自分のために大学進学を諦めたり、人生を台無しにしてしまう……って、マギーは思ったんでしょう。
だから何も言わずに、マイクと別れた。

そんなこともまったく、まったく想像しない男、マイク!!!(怒)
たぶんマイクはマイクなりに、いきなり振られて、あげく、すぐに次の男とひっついてたって傷ついたんだと思うんですよね。「察して!」が通用しないのが男性だし、先日も男性から聞きましたが、「フるならちゃんと理由を言われないとわからない。ずっとモヤモヤする」らしいから、まさに女と男の悪いすれ違いが起きちゃったんだろう。

傷つけたくない気持ちとか、あなたのためを思ってという気持ちがあると、別れる理由を告げないのが、どうやら女。
わたしは女なので、マギーの気持ちが微塵もわかってなさそうなマイクにイライラしました。(笑)まさかの愛しの村上弘明さんにイライラとは!!!(笑)

このイライラで、マギーもだんだん、すこしは想像してくれてもいいじゃない!? ってキレはじめて、妻のケイトがいる前で暴走しはじめるわけですが……その様子はけっこう、コミカルというか、滑稽。

夫婦問題にひずみはあるものの、一応問題なく今の人生を生きているマイクは、穏やかでいようと務めている。でもマギーに乗じて、普段のストレス発散がどうやらパーリーである妻ケイトが、「女子会楽しぃ! フゥ~!!」とテンションがあがって、マイクに嫌味を言いまくる。

女子ふたりに翻弄されるスタイル抜群イケメンのマイクが困りまくる様子は、たしかに面白くて、村上弘明さんがラジオで「滑稽な姿を笑いにきてください」と仰っていた意味が理解できた。(笑)

でも、これが個人的に、初日と千秋楽では感じ方が変わり、初日はわたしも会場もけっこう声に出して笑っていたんだけど……千秋楽は何か、息苦しいまでの迫力になっていて、どんどん状況がまずいほうに、決して笑えないほうに、悲しいほうに転がっていくのがビリビリ伝わってきた。

役者のパワーもあったと思うけど、たぶん一度観て話の細かいところを追う余裕ができたぶん、女としてマギーに感情移入してしまって、苦しくなってしまったのかもしれない。

妻のケイトの言い分は、「障がい児のジョイスがマイクの子だとしたら、どうしてマイクに助けを求めなかったのか。あなたは自分のプライドを優先して、娘に苦しい生活を強いた。あなたは良い人なんかじゃない」、というもの。
これは、だいぶ、しんどい。

マギーはプライドじゃなくて、マイクのことを思っての決断だったんだと思う。ケイトの言い分は、理性的な人たちの、まともな考えっていうやつだ。良い人になりたいわけじゃなかっただろうし。
「こんなに一生懸命生きてきて、それでいい母親じゃないって言われるなんて」って半べそになるマギーのぼやきは、かなり胸にくるものがあった。

この思考の差は、やっぱり人生を俯瞰するだけの余裕があった人と、そうじゃない人の差なんじゃないか。今を生きること、明日食べること、そういうことに日々向き合う人たちに、努力だとか選択だとか、言えるわけがない。

人生は選択だ、努力だと、いきなり誰にでも言えるのか

誤解を恐れずにいえば、両親のいない児童養護施設の子どもたち。虐待されてきた子どもたち。
そういう子にいきなり、「人生は選択だ」「努力で変わる」っていきなり言うのは違うよね? っていう。ある程度の安心感と余裕ができてからじゃないと、どうやっても身動きとれないことだってある。

なかには、どん底から、こうやって這い上がった! というサクセスストーリーがある人の話が、本になったりメディアに出たりする。でもそれって一握り。こんな豊かな日本でも、餓死する人は残念ながらいるわけで。すべての人対して、その成功のプロセスを押しつけるのは、ちょっと乱暴すぎる。しかも、「それをやらないお前」と責めるのはさらに酷い話だ。

でもこれは意外と、成功哲学が流行っている世の中で、わりと日常的に起こっているなと思う。
貧困とかそういう問題までいかなくとも、「変わりたい」と願う人と、「変わるために動いている人」との間で、しょっちゅう起こるすれ違いな気がする。

個人的に、わたしはマギーとマイク、どっちでもある。
もちろんマギーのような大変な環境でもないし、マイクのような努力もできていない。
でも、かつてのわたしには、どこに選択の余地があったのだと怒りを抱くこともあったし、今でもたまにそう思う。でも、マイクの言うように「人生は選択だ。抜け出すための努力を」という気持ちも、今は持てている。

マイクと同じことに気づけるだけ、自分はとても裕福で恵まれているんだろう……悩んでいる自分は暇人だな……と、思ったりも。

噛み合わない会話のリアルさ

けっきょく、「ジョイスの父がマイクだっていうのは嘘だ」と言い、マイクとケイト夫婦の関係を混乱させただけの人として、マギーは去って行く。

最初は、職を斡旋してほしくてマイクの元にいくマギーだったけど、マイクの家の裕福っぷりを見て、自分が情けなくなってきたのもあるだろうし、本人もいうように、もしマイクと別れていなければ、今ごろここに住んでいたのは自分かもしれない……と詮無い想像で虚しくなったりもする。

しかも、自分より遙かに余裕のあるところで問題を抱えているケイトを見るのも楽しくないはず。マギーは優しいから、誰にだって辛いことはあると認めるだろうけど。

出産祝いにマイクから高価な花瓶を貰って「普通は宝石なんだけどね」と嫌味をいうケイト。一方、マイクにも知られず子どもを産んで苦労したマギー。
最後に激して花瓶を割ろうとするのは、本当に胸が痛かった。
(どんなに成功しても、「出産祝いは普通は宝石」というのがわからなかったマイクが、貧民出身であることの描写もさりげない!)

確かに職を求めてはいたけど、支援を得られないことに腹を立てたんじゃない。
マギーが一番求めていたのは、ただ共感だったんじゃないか。
すこしでもマイクに共感してもらえたら、マギーは気持ち良く帰っていたのかもしれない。

「僕は抜け出す努力をするという選択をした」という主張するマイクに対して、「選択の余地はなかった。でも、ひとつ選択ができたとしたら、あなたと別れるかどうかだけだったかも」というマギー。
しかも「それひとつで、わたしの人生はあまりにも変わってたのかもしれない」という現実を目の当たりにしちゃう。

マギーが繰り返す「あなた運が良かったのよ」というセリフ。
運じゃない、努力だと思っているマイク。(努力した人はこれ言われると腹立つよね)

でも選択をするだけの思考を持てたマイクは、やっぱりマギーに比べて、確かに運がよかったんだと思う。父がいてラッキー。アッパー・エンドに生まれたマイクは、やっぱりラッキーだった。
(わたしも日本に生まれてご飯の食べられる家に生まれてラッキーだったとしか言いようがない)

一歩前違えば、あなたはわたしたちのような極貧だったかもしれない……と言うマギーに、意地を張っているのか、違うと否定するマイク。
「そんなこともわからないようじゃ、こんな(大きな)家を建てても意味ないわね」
このマギーが吐き捨てるセリフは、かなり深いやるせなさがある。いやほんと、意味ないわ。信じて疑わない想像力のなさ。成功ってなんだよって思うわ。

マイクとマギー。噛み合わない会話だけど、マギーのやるせなさと、マイクも死ぬ気で努力してきたという苦労から来る気持ちが、痛いほど伝わってきました。すばらしい。

心の貧困と身の裕福。どっちが幸福か?

ずっとやるせなくて辛いのだけど、要所要所で笑わせてくれるし、ストーリーでも救いがしっかり用意されている。
最後の最後、ジーンの「でも、何がなくても、何かあるわよ!」というセリフとか、ああ、素晴らしいセリフだったのに明確に思い出せなくて悔しい!

また、マギーの元上司、若いスティーヴィー!(高田翔)
純朴な男の子が、パワフルな女たちに混乱させられるシチュエーションが大好きなので(笑)、すごく癒やしの存在だった! 大ネタばれになりすぎるのでさすがに書かないですが、スティーヴィーがめっちゃグッドピープル(いいやつ)!! 見ている方まで救われた。

なにより、マギーとジーン、ドッティの逞しい精神力。
生きるしかないんだという現実にくよくよしている暇なんかない。わたしがあんな状況だったら、正直病むと思う。でも病む人っていうのはやっぱり、余裕があるのかな。

世界幸福度ランキングでも、日本は上のほうにはいない。TVでも、実際にアメリカのダウンタウンの貧しい地域にちょっと触れただけでもわかる。わたしたちの悩みは、あまりに瑣末すぎるのかな。

精神を病んでいるのは富裕層のケイト。
毎日苦労しながらも、笑いながら生きているマギーやジーンとの対比。皮肉ですね。

演出とお芝居、最高だった!

グッドピープルのどらやき

グッズはどら焼きとパンフレットという面白い組み合わせ(笑)。
栗どら焼きとバター黒どら焼き。湯河原の和果さんのもの。

今回は村上弘明さんが出るから観にいったわけですが、これだけ長々と真面目に感想を書けるほど、作品が良かった。

自分たちとは違う環境だとしても、やはりテーマは普遍的。貧しさの程度は違えど、我が身に響いてくる。名作っていうのは、やっぱりそういうところが共通なのか。二回見てよかった。
初日と千秋楽とでは印象がかなり変わったのは、一度見て余裕が出たからなのか、それとも役者さんたちがまた変わったからなのか。どちらもあるのかもしれない。

たった6人でこれだけの話ができるんだなあと勉強になったし、語るべきところ、語らなくていいところ、抽象的な会話のリアルさ。

全員怖ろしいほどの長台詞なのに、全シーンに出ている戸田恵子さんの強烈なことよ!
村上弘明さんとの掛け合いが、とにかくすごい。
(初めての戸田恵子さんに、アンパンマンにお世話になった元キッズのわたしは、そこでもときめきまくった!)

また演出もすごくオシャレというか。転換時のジャジーなBGMはいい感じだし。
1ドルショップの裏、マギーの家、教会のビンゴゲーム会場、マイクの家。
シーンはこれだけで、狂言回し的なジーンと、ドッティとスティーヴィーの会話が教会のビンゴゲームで行われていく。
ビンゴゲームは客席にむかって並んでキャラクターが座り、神父の声(川崎敬一郎)がひたすら番号を読み上げる。姿は見えない。

この番号を読み上げるのも、見事に芝居に絡んでくる。神父の声がマギーたちの会話を明らかに聞いて、声音を変えてきている(笑)。
たとえば、

神父の声「Iの20!」
ジーン「わたしならこう言うね!」
神父の声「I 20!」(I need you)
神父の声「O~の~、52……」(Oh, No)

とか(笑)。会話は進んでいくんだけど、番号は読み上げつづけられるので、「(番号)来るか? 来るか? 来なーい!」っていう流れも笑えるからすごい。あれ混乱しないのかな……役者さんたち、すごい……。
当然番号も流れも決まっているのに、まるで一緒になってビンゴに参加している気になる!

木村有里さん、阿知波悟美さんが強烈!(笑)

このマーギー、ジーン、ドッティ+スティーヴィーのシーンは、ほんとうに吹き替えの洋画を見ている気分になった! 演出、衣装、小道具、そして役者(芝居)が見事にマッチしているんだなと感激。
ほんと、ドッティ、こういうの海外ドラマとかにいるいる! っていう(笑)。
木村有里さんの声ってあれは地声なんでしょうか? すごすぎる(笑)。
帰宅後ずっと「この鳥投げたのだあれ!」って真似しまくっちゃったよ(笑)。

ドッティにも情はあるんだよね。でも基本、利己的。(笑)家賃が払えなくなったマギーにしつこく心配するし、いざとなれば「だってしょうがないじゃないの」といいながら、ナチュラルにマギーを追い出し、職を失った息子夫婦を棲まわせようとするし。いい人なんだけど、あんたの思考イマイチわかんないよ! っていう感じ、これすごく現実にいる、こういう人! っていうのが生々しかった(笑)。

いやー、阿知波悟美さんと木村有里さん、強烈だわ~(笑)!

いきなりですけど「新・必殺仕置人」を見たときに、あまりにお芝居がお芝居に見えなくて感動しまくって、役者ってすごいな! って本気で興味を持ったのだけど、戸田恵子さん、阿知波悟美さん、木村有里さんの三人のシーンを見た後に、ふとそんなことを思いだしちゃいました。まるで一緒のテーブルについているかのような錯覚を起こすというか。

高田翔さんはMy favorite actorになった!

高田翔さんは子役から出られていた方なんですね。
(ライオンキングって、もしかして下村青さんがスカーやってた頃かな?)
これ言っていいか迷ったけども、正直、ジャニーズというブランドが悪い意味で邪魔してしまうのが勿体ない! どうしてもアイドルっていうイメージがあるので、せっかくお芝居見にいくのに、ちょっと微妙な人がいると……って思うの、自分だけじゃないと思う。

ところが! 高田さんがすごく良くて!
最近実感でわかったんですが、もともとの芝居経験、基礎の積み方、発声って、全然差が出るんですね。素人にもわかる。どうしてもあまり経験のない人は、がなっちゃうというか、大声を出すような感じがするんだけど、高田さんは他の役者さんと同じように、無理せず大きな声が出ている感じで、さすがだなあ! なんて(上から目線で)思ったのでした。
高田翔さん、My favorite ジャニーズ actorになった!

それにしても、当日まで彼のお顔だけわからないというのは、あまりに勿体ない話。舞台の公式サイトの出演者にもお顔が載らないなんて……そういうのは違うだろうって思う。
近年の芸能界大革命の動きで、そういうのが変わるといいなと願う。

サヘル・ローズさんの努力と運

実はちいさなご縁のある方。具体的には書けないですが、もしかすると一緒にお仕事をしていたのかもしれないというご縁。それこそ、彼女が選択をしなければ、この舞台の裏にはわたしが関わっていた可能性だってなくはない……という。
でもほんとうに、素晴らしい選択をされたのだと舞台を観て理解。いいプロダクションやマネージャさんに恵まれたんですね。

普段のTVやSNSで見るおっとりとした上品な姿とは違い、感情的になって暴走し、マイクを攻撃するケイト。
お芝居に対しての真摯さがどこまでも伝わってきた。
高田さんもそうだけど、サヘルさんもこのメンバーの中では若手。そのプレッシャーはすさまじいものがあったのではと察するけども、全力でぶつかっていく姿は、大御所ばかりの中で、決して遜色のない存在感! また、とても色っぽくて、美しい! なんとなく杉本彩さんを思いだしてしまう艶やかさ。

娘を持つケイト、また同じように娘を持ちながら生きているマギーに対する思い、また、すこしだけ垣間見えるケイトの母との関係性……サヘルさん自身とお母さんとの関係性から考えると、いろいろと感ずることが多かったのかなと想像。パンフレットでもやはりお母様のことについて触れられている。

マイクのように、大変な生活の中で、ちいさな運に恵まれた人もいる。
詳しく知らないわけではないので、おいそれとは言えないのだけど、サヘルさんもかなり厳しい環境のなかで、命を繋ぎ、今のお母様に出会った。でもここでサヘルさんが何もしなければ、きっと大変なまま、辛いまま、だったんだと思う。

サヘルさんを見ていると、ちいさな運に感謝し、生きて、そして努力の先に、また新たな運というものが呼び込まれていくんだろう……そう思ったのでした。わたしもがんばらなきゃな……同世代です。

村上弘明さん

大大大好きな村上弘明さんは、アメリカ人のドクターを演じているからか、いままでにない話し方。
尻下がり型というか……「うん、それで? どうして」っていう言い方ひとつとっても、いつものままじゃない。おっとり穏やかな喋り方は、もともとのマイクのグッドピープルっぷりもあるのだろうけど、俺は生まれ変わったんだ、というところから染みついた喋り方なのかな。

確かに、パンフレットでもおっしゃるように、『白い巨塔』の財前五郎みたいなところがある。
もともとはべたべたの訛りだったのが、外科医として成功して、東京ことば。
これは村上弘明さん本人も重なるところがある。(医者を目指していたのだし!)

個人的なフェティシスム的趣味を語ると、白衣姿が生で見られたこと、オフホワイトのチノパン姿が見られたこと(笑)、そして大好きな足を立てての地べた座りが目の前で見られたこと(笑)。嬉しかったなあ!!
途中舞台から降りて最前列の前を歩かれるときなんかドキドキ!

でも、ファンとして何より嬉しかったのは、パンフレットにあったこと。

「じっくりと芝居に向き合う機会が必要だとかねがね思っていました」

「「僕は恥を晒しに毎日通っているのか?」と思うこともしばしばです(笑)」

「年齢に関係なく、みんなで一緒にああでもないこうでもないと話し合いながら作品を創っていく。こうした姿こそ俳優としてあるべき姿だなと。」

元々は医者を目指し、その後映画の評論家を目指し、ひょんなことで俳優になって……工藤栄一監督などすごい監督に育て上げられ、大河ドラマの主役までつとめるようになった村上さん。

ベテランとなった今でも、こういう発言から、役者という仕事に対してのクリエイティビティというか、職人魂みたいな、仕事人魂(笑)みたいなものを感じることができて、すごく尊敬したし、嬉しくなった!
今後も俳優・村上弘明の活動を楽しみにできるって、嬉しいことです。信頼ですね。

また、わたしは村上さんのおかげで、こういう舞台を観る機会を与えられたわけで、まさにパンフレットでおっしゃるとおり、「巡り合わせ」。ありがとうございます。
「必殺仕事人V」を見なければこうはならなかった。すごいなあ……。

会場には、その「必殺仕事人V 激闘編」でも共演された梅沢富美男さんはじめ、豪華なお花が。岩手の八木澤商店からもきていたので、嬉しくなって帰りに銀座の「いわて銀河プラザ」で八木澤商店の生七味を買って帰った。(笑)

 

グッドピープルの村上弘明さんの指

最後にこの美しい指をごらんあれ。

と、自分でもびっくりするほど長くなったけれど、役者さん目当てで、これだけ感想が書ける作品を見られたのはまさに「運がよかった」としかいいようがない。(でも村上さんの努力の結果の延長線上だわ!のendless)お金を払ったことに対して、スッキリする気持ちがあるもんね。プロの演劇集団の作品から、自分も物書きとして学ぶことばかりでした。

ちなみに、マギーから拾ったものの多さで書き切ったつもりなので、戸田恵子さんのことは見出しにしませんでした。ほんと、すごかった……。
このブログで前にも書いたけれど、小宮山清さん、富山敬さん、井上真樹夫さん、野沢雅子さんといった黄金期の声優好きとしても、生の戸田恵子さんが見られるのは本当に胸アツだったのでした。

よい観劇でした!

『グッドピープル』公式サイト

劇団NTL 公式サイト

戸田恵子さんブログ
https://ameblo.jp/toda-keiko/entry-12495522221.html

どら焼き「和果」